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2006年7月 8日 (土)

98-99 CL決勝 ユナイテッド×バイエルン

ユナイテッド 2-1 バイエルン   99年5月26日 /カンプノウ
G:シェリンガム(90+1分)、スールシャール(90+3分)      バスラー(6分)


マンチェスター・ユナイテッド:1 シュマイケル、2 G・ネビル、6 スタム、5 ヨンセン、3 アーウィン、7 ベッカム、8 バット、11 ギグス、15 ブロンクビスト(67分、10 シェリンガム)、19 ヨーク、9 コール(81分、20 スールシャール)

SUB: 17 ファンデルホウ、4 メイ、12 P・ネビル、30 ブラウン、34 グリーニング    監督:ファーガソン

バイエルン・ミュンヘン:1 カーン、4 クフォー、10 マテウス(80分、17 フィンク)、25 リンケ、2 バベル、16 イェレミース、11 エフェンベルク、18 タルナト、19 ヤンカー、14 バスラー(89分、20 サリハミジッチ)、21ツィックラー(71分、7 ショル)

SUB: 22 ドレハー、5 ヘルマー、8 シュトルンツ、24 アリダエイ    監督:ヒッツフェルト


W杯期間中の真っ只中ですが、熱狂を求めてこの試合を観てしまいました。
準決勝「ドイツ×イタリア」よりもコッチです。結果知ってるけどコッチです。
まぁ、ホントに伝説の試合ですよ。今観ても全く色褪せない。
ラストの衝撃の結末を知っていても、おもしろい。いや、知ってるからこそのおもしろさもある。
この試合については、もう至る所で語られ尽くされてる感もあるので今更ここで書く必要も無いかとは思うのですが、一応個人的な感想として記します。

まず肝となる所はユナイテッドのスタメン。
ここまでドラマティックな勝ち上がり方をしてきたユナイテッドですが、実際そういう部分を抜きにしてもこのシーズンのユナイテッドは飛び抜けて強かった。また強かったからこそ、そういうドラマを産めたとも言える。
なにせ3冠ですから。トレブルですから。
さてその強さの要因で一番目立っていたのはベッカム、ギグスのサイド攻撃です。
いや実際細かい部分に目を向けると幾らでもありますよ。でも大きく言うと両サイドでしょ。
その看板の両サイドをこの試合は崩します。
ベッカムをセンターに移し、ギグスは右サイドへ。
何故そうしたか?キーンとスコールズの出場停止の影響ですわ。
この2人の欠場によりメンバー変更を余儀無くされたファーガソン。
選択肢は色々ありましたよ。フィルを入れたりとか、メイを入れたりとか、バットの1ボランチで行くとか。
そんなセンターハーフの選択肢の中からファギーが選んだのはベッカム。そしてブロンクビストを左サイドで使うというものでした。
これは別に特別な采配でも奇策でも何でも無かった。
確かに看板の両サイドを事実上崩す事には疑問符を付けられるかもしれないが、それでもこの時ベッカムはセンターもやってたし、ギグスだって右も左も関係無かった。
定番のスタイルは崩れるものの、それでも2人はピッチに立っている訳だしユナイテッドの拠り所はそれ以外にも多数あった。
スタム、ヨンセンの鉄壁のCBコンビが出れない訳でも無いし、当時世界最強コンビだった「ホットセット」コール&ヨークも揃って先発。しかもベンチのシェリンガムとスールシャールも好調を維持し、ネビルとアーウィンの両SBも申し分無し。なによりゲームキャプテンを務めたシュマイケルはユナイテッド・ラストゲームにハートを燃えたぎらせていた。
いわば死角はキーンとスコールズのサスペンションぐらいのもんだったんですよ。

でもファギーの思い通りにはいかなかった。
ギグスは右サイドで違和感バリバリのギクシャクぷれ〜。とてもドリブラーとは思えないフォーム。
そしてベッカムも真ん中ではキーンの様なリズムを作れず、前線にチャンスを供給出来ない。
普段はうまくいってる、またはうまくいった事があっても、決勝の舞台は全く別物。そう思わせられる2人のパフォーマンス。

一方、普段通りのスタイルで普段通りのパフォーマンスを見せたのがバイエルン。
リザラズを負傷で欠くものの、それ以外はベストと言える布陣。
3-4-3と言うか、1-4-1-2-2と言うか、3-3-2-2と言うか、そんな布陣でバイエルンは真にバイエルンでした。
とにかく3バックの真ん中のマテウスが抜群!!!!!
比較的自由にプレーするスタイルは、まさしくこの時代のドイツ伝統の「リベロ」。
最終ラインの統率だけで無く、中盤まで出てのインターセプト、タイミングを逃さない攻め上がり。
38歳にしか出来ない事をやり遂げました。
だからバベル、クフォー、リンケ、タルナトの4バックとも言えるかな、と思って1-4-1-2-2と書いた訳です。
中盤の底は基本的にイェレミース1枚。もう今季で引退しちゃったイェレミースですが、やはり良く走る。
対面のベッカムに仕事をさせなかったのは、やはり彼のチカラによる所が大きいし、本来はフラットに並ぶはずのエフェンベルクが攻撃に専念出来るのも彼の無尽蔵のスタミナによるものがある。
3トップの右のバスラーは中盤とも言えるぐらい若干引き気味。
バスラーの運動量の少なさはツィックラーが右へ左へと動いてカバー。
ヤンカーも基本的には動かないからツィックラーの負担は相当なモノなんですよ。
でもツィックラーってあんまり評価が上がらないままバイエルンを去りましたよね??
あまり出番が無くても、怪我が長引いてもバイエルンに在籍し続けたので評価は低くないとも言えるけど。
まぁそんなツィックラーに負担を軽減して貰ってるバスラーですが、別に遊んでた訳じゃありません。
ちゃんと仕事はします。それに見合うだけの仕事は。
1発で試合を決めれるのが彼の魅力で、準決勝の勝ち越しゴールに続きこの試合では先制点を決めてみせました。
しかも開始6分で。
仕事が出来る男は違います。
その他にもスルーパス、と見せかけてのループシュートでシュマイケルを嘲笑ってみたりと抜け目が全くありませんでした。

ベンチワークでも冴えていたのはバイエルン。
スムーズにいかない中盤を再編すべく、やっとこさファーガソンが動いたのは67分。
シェリンガムを投入し、4-3-3へ。
しかも中盤は3と言ってもセンターハーフのバット以外のベッカム、ギグスは本来のポジションである両サイドへ開く形。
ヨークがトップ下の様な位置にいるとはいえ、実質4-1-5的な布陣。
これを見逃すヒッツフェルトじゃありません。
すかさずショルを投入し、エフェンベルクと並べてトップ下を2枚へ。数的不利な状況へバットを追い込みました。
そしてショルがまた活躍するんですわ。
彼のアイディアは最高やからね。ポストに弾かれたけどループシュートの軌道は美しすぎたよ。
結局はペースを握られるユナイテッド。
超攻撃的な布陣にしたものの、結局はヨークがボランチの位置にまで下がるシーンが増えました。
現在シドニーFCやT&T代表ではこのポジションで抜群のパフォーマンスを見せ新境地を開いた感があるヨークですが、この頃はやはりトップにいないと勿体無い。
その後ファギーが打った手はコールをスールシャールに変えるという、いたって驚きも変化も無い(スールシャールがサイドで、それまでサイドに開き気味だったシェリンガムが中へ、という微妙な修正のみ)采配。
2度ポストとバーをヒットするピンチを招き、シュマイケルの指先セーブが無かったら0-4でもおかしくない状況やったからね。

完全なるバイエルンの勝ちゲーム。
だからこそ「カンプノウの悲劇」なんですがね・・・・。
結末を知って観ててもバイエルンが逆転されたのは不思議で不思議でしょうがない。
確かに85分ぐらいからはユナイテッドが攻めてはいました。
でもこの時間帯ってのは一般的にリードされてる方が攻めれる時間帯であって、別にユナイテッドの逆転劇の始まり〜、って感じは無かった。

いや〜〜〜、鳥肌立ったね。
わかってるだけに得点シーンは。
もうベッカムがCK蹴る前からブルブルッとね。
そして逆転ゴールの時は更にブルブルブルブルッと。
もうこの時は逆転ムードが充満しててバックスタンドのユナイテッドサポも騒ぎまくり。
それでも実際に決まる事はまず無いねんけど、これが決まっちゃったから「悲劇」であり「奇跡」であるのです。
座り込むバイエルンイレブン。一応時間はあるけれども、もうセンターサークルまで行けない。キックオフ出来ない。
上を向けないカーン、地面を叩くしかないクフォー。そして準優勝メダルを首から外すマテウス。
あぁマテウスかっこよすぎます・・・・・・。
やっぱりCLはアツイね。
歓喜に沸くユナイテッドイレブン。スーツ姿のキーンですら若く見える当時の姿に色んな感情が込み上げてきた夜でした。

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